真言宗智山派吉祥院珍珠山

仏教コラム

仏のことばを読む六. 般若心経   その18

 無眼耳鼻舌身意 無色声香昧触法とは、釈尊が説法する際に十二のダルマ【法】に分類して説いたもので、これを十二処(じゅうにしょ)といいます。「処」とは領域のことで、感覚知覚能力あるいは器官である六根(ろっこん)【眼根・耳根・鼻根・舌根・身根・意根】と、その対象である六境(ろっきょう)【色境・声境・香境・味境・触境・法境-境とは対象の意味】の総称を十二処といいます。このそれぞれの根と境との結びつき、例えば眼根とその対象である色境との結びつきが、外界にある物の姿や形や動きを感覚し、認識を成立させています。十二処としてここで列挙されたものもダルマ【法】とされます。そのダルマ【法】は五蘊の場合と同じように「空の状態」にあるとされるので、とされます。ここでいわれる法【正確には法境】もダルマの訳語ですが、感覚された内容を情報として心【意根】の対象となる観念をいいます。諸法などという場合の法とは異なった意味になります。また色も五蘊で述べられたが色蘊であるのに対し、ここでは色境【視覚対象】というダルマ【法】
を指します。
 

仏のことばを読む一覧