真言宗智山派吉祥院珍珠山

仏教コラム

仏のことばを読む六. 般若心経   その5

④精進波羅蜜多
 精進とは「精魂込めてひたすら仏の教える道を進む」努力をいいます。仏の道はたいへん厳しいものです。その道を踏み間違えないためには、日々の努力が必要です。修行を志しても、世間の誘惑や怠(なま)け心に負けることはしばしば起こります。釈尊が愛欲や家庭の絆をあえて断ちきり、自らを徹底的な孤独へと追いやり、ついにはすべての人々を幸福にする教えを説かれたのは、まさしく厳しい精進に支えられていたのです。私たちが理想とする釈尊の修行における精進努力こそ見本としなければなりません。精進は精神的に勇敢であることを意味します。私たちにとって日々限りなくわき起こる煩悩という敵と戦うことが修行です。この戦いに怯(ひる)んではならないと仏は教えています。戦場に赳(おもむ)く戦士のように、勇敢な努力が修行には必要とされます。
 修行僧は世間の人が生活の中で実行できない精進をします。それを見習う在家の人々が日にちを限って精進をするようになり、その時は一切の世間的なものを捨てて修行に励むのです。そのような仏教信者の生活が日本でも浸透し、在家の人が仏教の特別な生活をすることも精進というようになります。さらに魚や鳥や獣の肉類を食べない生活を精進というようになったならのです。精進料理は修行僧の食事でしたが、特別な日に修行僧に倣(なら)って魚肉を避けた料理をいうようになりました。
 

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