風信(かぜのたより) No.88
新しい魂を体の中に入れる。それで新しい“いのち”が極まる、生きる力がみなぎるというわけです。そのお雑煮の丸いお餅がいつか、今のお年玉となったようです。昔からの日本人の知恵と言いますか、こだわり。見えないかたちあるものへ想いがジーンと伝わってきます。

「ことだま」って言葉を耳にしたことはありますか?「言霊」と書きますね。私たちが口にする言葉、会話には何気ないものにも、無意識に語っている言葉にも霊、魂が宿っている。そして、言葉にすれば想いも相手に伝わる、言葉にしなければ何も伝わらない、というわけです。「目は口ほどにモノを言う」というのは、相手の目を見て話せばもっと伝わるということにもなるでしょう。時には、口にした言葉が現実のものとなると感じることもあるでしょうか? 言葉には不思議な力があるとも言われています。何故なら……そこに魂がこもっているから。
真言宗の宗祖弘法大師空海、お大師さまは「真言(しんごん)は不思議なり、観誦(かんじゅ)すれば無明(むみょう)を除く」と説いています。真言とは「まことのことば」とも読めますね。では真の言葉とは何かというと、仏さまが使う言葉です。観誦は「心込めて唱える」、明は「悟り」無明は「迷い」のことです。皆さんがご法事の時にお唱えする「おんぼうちしった ぼだはだやみ」や「おんさんまやさとばん」も真言です。

真言をくり返しお唱えすれば、迷いは除かれて心が安らかになる。それが真言宗の教えです。皆さんがお墓をお参りして、吉祥院本堂の前でご本尊毘沙門天の真言「おんべいしらまんだやそわか」をくり返しお唱えすれば、皆さんの願い事、祈りはきっと届きます。手を合わせて、真言を口にお唱えして、心に仏さまを念ずると、想いは仏さまに通じるのです。さらに修行大師像の前では「南無大師遍照金剛」とくり返す。皆さんお家のお仏壇でも「南無大師遍照金剛」とお唱えしましょう。
私たちが発する言葉には魂が宿っています。仏さまの真の言葉をくり返しお唱えすると、いつか心は養われ、信じる心が育まれ、それがあなたの支えとなります。
さあ、真言を唱えましょう!
