真言宗智山派吉祥院珍珠山

仏教コラム

わかりやすくQ&A仏教の凄いところって、なに?

Q1仏教は救ってくれるの?
 およそ2500年前、お釈迦さまが説いた教えから始まった仏教は、アジアから世界へと拡がり、今に至っています。これ程、長い歳月をかけて教えが受け継がれてきたのは、仏教が多くの人たちをすくい取り、支えとなってきたからでしょう。
 その教えとは……誰もが必ず抱く苦しみから、どうやって抜け出すか? 「苦を抜き、楽を与える」教えということになるでしょうか。心が安らかになるように、苦しみを抱いてしまう人間の原因を見極めようとするのです。苦を引き起こす煩悩や執着をどうすれば取り除けるか? 苦しみから救うための教えが仏教です。
Q2苦しみはどうすればなくなるの?
 苦しみとは思いどおりにならないこと。つまり人は無意識に自分の思いどおりにしたい、思うようになって欲しいと願います。でも、この世の中のすべてのものは移り変わり、そのままの姿を留めません。だから人は煩悩や執着を強く抱くようになり、苦しいと感じます。
 仏教は人の心をきちんと見つめようとします。そして、心と身体のバランスを整え、安らかな心地となるようにします。そのためにずっと瞑想を大切にしてきました。姿勢を正しくして座り、呼吸を深くゆっくりすると、身体の感覚が研ぎ澄まされ集中力が高まります。真言宗にはお月さまをイメージする瞑想(月輪観)と仏さまを感じる瞑想(阿字観)があります。自分の心と身体の状態を見つめる実践的な教えなのです。
Q3仏さまが支えてくれるの?
 仏教は、その教えをもとに、日本人の日々の暮らしの中に根付いてきました。お仏壇やお墓に手を合わせて無事を祈る。自分のみならず自分を支えてくれるさまざまなものに感謝の念を抱く。それが日本人の感性を育んできました。
 そして、仏教の実践は人の支えとなるものを生み出します。写経や写仏、巡礼や遍路、御詠歌などそうした営みを通して自分の支えを感じさせ、生きる力を与えてくれます。自らが実践し、自らの可能性を実感し、自分の理想とする仏さまに近づこうとする。仏教において、理想は仏になること。仏さまの境地、安らかな心を得ること。あなたの中に眠る可能性、それを仏教では"仏"と呼び、自分の中にある仏に気づくことが、仏教の教えの核心となります。そう、つまりあなた自身が自分の支えとなるのです。

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