真言宗智山派吉祥院珍珠山

仏教コラム

わかりやすくQ&A信じる者は救われるか?

Q1救われる? 救われていない?
 信じる者は救われるのでしょうか? 信じても救われないのでしょうか? 救われるかどうかわからないなら、信じてもしょうがない。そう考えて、信じないことにしますか? 世の中にこれだけ救われない人が大勢いるのだから、信じても救われない、なんて他人事のように考えてしまいますか? また、自分の道は自分で切り拓くから、誰かを信じたり頼ったりしないって心に決めている人もいますかね。
 その一方で、信じなければ救われない、信じなければ何も始まらない。無味乾燥でつまらない生き方になってしまう、なんて考えますか? でも、この問いかけは、救われるかどうか、その答えを求めているわけではありません。それよりもあなたが何かを信じているか? 信じられるかどうか?が問われているのです。
Q2信じるってどういうこと?
 あなたは信じるのもがありますか? 理屈抜きで何かを信じられますか? 信じられる自分かどうか? つまり、信じた誰かに裏切られても、自分が信じたのだからそれでいい。そう腹をくくれるかどうかが問われています。
 信じることは、自分のすべてを相手にゆだねること、任せきること。信じたらその先は、何が起ころうとその現実を受け入れること。それが信じるということになるのでしょう。後になってガタガタ言ったり、誰かのせいにする。それじゃあ、信じたことにはならないでしょう。信じる、任せきる。そんな腹のくくり方ができたら、何も悩む必要もないのでしょうね。相手のことをよく知った上で、信じるに足る人と見極めたら、後はその相手にすべて任せる。結果が最悪でも自分の見る眼を悔やむほかはないわけです。
Q3後は、何があってもご加護を祈る?
 宗教では信じる対象は聖なるもの。仏教では仏さまが信じる対象となります。信じるに足る教えかどうか。よくよく教えを知った上で、信じてみましょう。信じたなら、きっと救われます。
 仏さまはこれまでに数え切れない人々の悩みに応えて、救いの手を差し伸べてきました。信じなければ救われない。自分で解決するしかない。でも。人間はひとりでは生きられません。そして、必ず誰かと関わりを持たなければなりません。だから誰もが必ずどこかで苦しい時の神頼み。仏頼みをするのです。
 自分のみならず、自分を支えてくれる存在みんなの無事を祈る。そして、無事に感謝する。祈る心と感謝の念は私たちが自分らしく生きるためのより所です。信じれば仏さまのご加護が感じられる。信じた瞬間から仏さまがあなたの支えとなるのです。

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