真言宗智山派吉祥院珍珠山

仏教コラム

わかりやすくQ&A真言宗のご本尊

Q1真言宗はどんな宗派なのだろう?
皆さんの菩提寺(ぼだいじ)、吉祥院は真言宗(しんごんしゅう)智山派(ちさんは)という宗派に属しています。真言宗の宗祖は弘法大師空海・お大師さまで、仏教の中でもとてもむずかしい教えとされる「密教」を日本に伝える宗派です。真言宗は、人間の可能性をできる限り生かそうとします。教えを正しく学び、自分をよく見つめて、瞑想などによる修行を重ね、仏さまの存在を身体で実感して、安らかな心を育みます。
真言宗は、この広い宇宙に起こる現象すべてに応じて現れる大日如来という仏さまを教主とします。つまり、宇宙の真理すべてをとき明かす仏さまの教えが、真言宗ということになります。
Q2「ご本尊さま」って何なの?
皆さんの中に、自分の「守り本尊」というのをお持ちの方もいらっしゃると思います。また、お寺には必ず、ご本尊さまがお祀まつりされています。ご本尊さまとは、いつも敬い、あがめて、礼拝する仏さまのことを言います。自分のすべてをまかせられる、信じられる、支えとなるもので、自分の願いや祈りをささげられる存在とも言えるでしょう。
ですから、お寺のご本尊さまも、個人の守り本尊にも、いろいろな仏(如来)や菩薩がお祀りされるのです。私たち人間は、姿かたち、性格や好き嫌いも、一人一人みんな違うので、仏さまもそれに応じて、その人の親しみやすく、受け容れやすいお姿になって現れるのです。真言宗では、大日如来がいろいろな仏・菩薩などに変身するのです。
Q3大日如来とは、どんな仏さまだろう?
この宇宙そのもの、自然の法則や真理を体現した、密教の曼荼羅(まんだら)世界(仏の世界)の中心に座す仏さまです。曼荼羅という図絵を見たことがありますか? 無数の仏や菩薩さまが描かれる世界の、その中心にあるのが大日如来です。大日如来は、自らが放つ光明がこの宇宙どこまでもあまねくすべてを照らし、慈悲の活動が永遠不滅で活発であることから名付けられました。すべての仏や菩薩も、大日如来から生まれ、その働きのすべては、大日如来の徳のさまざまな現われとされています。
曼荼羅図は、仏の悟りの内容(境地)をあらわすと言われています。そして、大日如来のさまざまな智慧と徳が、いろいろな仏さまのお姿となって発生する様子が描かれています。ですから、よーく見てください。皆さんのお家のお仏壇にも、正面の一番奥、最も高いところに大日如来がお祀りされて、ご先祖さま、そして、私たちを見守ってくれているのです。

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