真言宗智山派吉祥院珍珠山

仏教コラム

毘沙門さまの功徳いつも、すすんで、誰とでも、ニコニコ。

その1

 ですから、私たちにとりましては、誰もが生まれながらに大事なものを持っている、このことが出発点になるわけですから、どうにかして、そのことをお互いに生かしていく必要があると思います。これは自分自身の問題です。この気持ちがあれば、夫と妻、あるいは親と子という家族の中で、そういう気持ちを大切にして、周りの人の気持ちを尊重することが必要なのだということに気がつくのではないでしょうか。

 さて、最後になりますが、七福神はどうしていつもニコニコしていられるのだろうか。七福神のお顔を拝見しておりますと、みんなにこやかな、円満な顔をしています。いつもニコニコです。このニコニコを私たちも考えていかなければなりません。それで私は今日はこういう言葉を作ってきました。はじめに「いつもニコニコ」、それから二つ目は「誰とでもニコニコ」です。三つ目は「自分からすすんでニコニコ」。こういう気持ちがないと、よそさまとなかなかうまくいかないと思います。大事なことはよそさまとうまくいくために、ニコニコするわけではないはずです。自分自身が気持ち良く、明るく一日を過ごすためには、自分がまずニコニコする。そして「みなさん、こんにちは」とニコニコしていく。えこひいきしないで、誰とでもニコニコしていけるように努力していく。そこに福徳が授かるわけです。円満な一日が暮らせるのは、そういうところから始まるのではないでしょうか。そんなことをもう一度考えていただけたらと思います。

 間もなく法要が始まります。その時に、まず、本堂に上がりますと、ご本尊さまの扉が今日は開いております。ちょっと離れていますからはっきりと毘沙門さまのお姿は拝見しにくいかも知れません。けれども、ぜひ自分の目ではっきりと拝んで、頭の中に毘沙門さまのお姿を、そのイメージを組み込んでおいて下さい。そして、何かありましたら、「いつもニコニコ、自分から進んでニコニコ、誰とでもニコニコ。」、この気持ちを自分の中に植えつけながら、ご精進していただければ何よりかと思われます。どうぞこの機会に皆さんがますます福徳を積まれまして、その福徳を大勢の皆さんに「あなたもどうぞ」と分かちあいながら毎日を過ごしていただきたいものだと心から思います。今日は長い間お聞きいただきまして、ありがとうございました。

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