真言宗智山派吉祥院珍珠山

仏教コラム

わかりやすくQ&Aお墓について

Q1仏教では、
お墓にはどんな意味合いがあるのですか?
 お墓のある場所を墓地、墓石のことを石塔とも言います。インドで仏教を開かれたお釈迦さまが亡くなられた後、お釈迦さまのご遺骨は、土中に埋葬され、その上に、半円球の石造りの塔(ストゥーパ)を建てました。このストゥーパを起源として、仏教が東アジア、シルクロードを通って、中国・日本に伝わり、日本の宗教文化と溶け合って、いまのお墓となりました。
 墓石の正面、いちばん上のところには、昔のインドの文字で「日本語の「あ」に当たるインド文字」と刻んであります。この文字は、日本語の「あ」に当たり、すべてのはじまりを意味し、真言宗では、ご本尊、大日如来さまを表します。ですから、ご先祖さまのご遺骨、亡き魂は、大日如来に守られて、安らかに眠っているのです。
Q2お墓を新しく建てたり、修理する時に気をつけることは?
 まず、墓地の修理・建立をされる場合は、菩提寺(お寺)にご相談下さい。費用については、石材店に見積もりをお願いすればよろしいと思います。また、お墓はご先祖さまの住まいですから、墓地を建て直したり、修理する時には、住まいから一時的に引っ越していただきます。この時「撥遣」または「魂抜き」という儀式をおこないます。ご遺骨は修理の間、お寺の納骨安置室でお預かりします。
 新しいお墓ができましたら、今度はご先祖さまに戻っていただきます。この時は、ご家族やご親戚もご一緒にお集まりいただき「魂入れ」「開眼」の儀式をおこないます。墓地の修理・建立は、ご先祖さまの年回忌法要などに間に合うようにおこなえば、ご親戚の皆さんもおそろいで「開眼」に立ち会えますね。
Q3お墓の向き、墓相ということを聞きますが?
 簡単に言ってしまえば、気にする必要はありません。墓相や向きにこだわるよりも、お墓参りをして、きれいに手入れすることに気を配られるほうが、ず~っと大切なことだと思います。お寺でも、定期的に徹底した清掃と毎月一回の巡回の清掃をおこなっています。それでも、お墓は皆さんのご先祖さまの住まいなのですから、お寺にお参りして、お墓をきれいにお掃除されて、お花を捧げて、お線香を焚いて、お参りをされればそれでいいんです。
 古くなったお塔婆は抜いて、境内のお納め箱に置いて下さい。魂抜きをしてからおたき上げをいたします。枯れた花、伸び放題の植木や、腐ったお供え物に埋もれたお墓の姿を見ると、何とも淋しい気分になります。いつかは自分の住まいになるところ。ご先祖さまだって、きれいなお墓で眠りたいと思っていますよね、ね。

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