真言宗智山派吉祥院珍珠山

仏教コラム

わかりやすくQ&A仏教は救ってくれるのかな?

Q1人はなぜ祈るのでしょうか?
 きっと新しい年が明けると、多くの人が祈りますよね。初日の出に向かって、神社仏閣にお参りして、そしてお家の神棚やお仏壇に向かって、柏手を打ったり、手を合わせて拝んだりして祈りを捧げます。この一年が無事でありますように、幸多かれ……と。
 祈りは、大きく2つに分けられます。ひとつは亡くなった人の冥福を祈る。そしてもう一つは、生きている人の願いが叶うように祈る。亡くなった人のためと生きている人のために人は祈るのです。それでは、なぜ祈るのでしょう? 自分の力だけではどうにもならないから、思いどおりにならないことがあるから、願い事が叶うように祈るのでしょう。
Q2救われたいと、なぜ思うのですか?
 どんなに科学技術が進歩しても、生活が便利で豊かになっても、私たちには必ず思いどおりにならないことがあります。生・老・病・死を「四つの苦しみ」としたお釈迦さまの教えのとおり、医療がどんなに充実しても、寿命が数十年延びても、生まれる、老いる、病む、死ぬことは、私たちの思いどおりにはなりません。
 「人間50年」の時代から30年も寿命が延びても、高齢化社会には新たな苦しみが生まれてきます。生きてゆけば、思いどおりにならないことに次から次へと出会う。思いどおりにしたい気持ち(欲望や執着)が苦しみを引き起こす。だから現状から逃げ出したい、救われたいという思いにかられるのです。
Q3仏教にはどんな救いがあるのですか?
 救われたい、悩みを解決したい……。そう思っている時、「こういう風にしてみたら……」と言われて、言われるままにそうしてみる。でも、こうした人まかせでの対処では、根本的な解決にはなりません。自分で乗り越える気持ちを抱ける、そしてひとつひとつ解決の道を歩む。自分の悩みは自分でクリアしなければ心は晴れないでしょう。
 仏教はそうした自分で悩みを解決する道、自分で実践して壁を乗り越える手立てをたくさん培ってきました。仏の言葉を写し(写経)、仏の姿を描く(写仏)、ご詠歌をお唱えして腹から想いを声に出す。自分の足で全国の霊場を巡り、願うことを祈る。瞑想によって自分を見つめ、心身を整える。やさしいお経を読む。亡き人をご供養する。こうした日本に昔から受け継がれる仏事や供養の心は、日本人の心を癒し、安寧をもたらしてきました。仏教が培ってきた人の心に安らぎを与え、救いに導く活動、あなたも試しに体験してみませんか?

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