真言宗智山派吉祥院珍珠山

仏教コラム

わかりやすくQ&A信じる勇気、ありますか?【信心のススメ】

Q1今の時代に何を信じればいいのだろう?
 青少年の痛ましい犯罪が取り上げられ、犯罪自体も凶悪になり、意味なくたやすく人を殺すニュースが報じられています。いのちの大切さ、他へのいたわりが求められる時代と言われますが、そう言われても何を信じればいいの?と聞き返したくなりませんか。あなたは、伴侶(はんりょ)や子供を、親を信じていますか?彼や彼女、友達を信じられますか?かたちばかり、うわべだけの付き合いになっていませんか?目に見えるもの、手に触れられるものばかりを頼りにしていませんか?そして、何よりも自分自身を信じていますか?
Q2信じて裏切られるのが嫌だ!
 信頼する、信じるという言葉をよく使いますよね。でも「信じる」ことは、ちょっと勇気がいるかも知れません。それは、自分の気持ちをさらけ出すことだし、相手に身を任(まか)せることでもあります。それで、もしも裏切られたら・・・・・辛い、悲しい思いをしなくてはなりません。だから、深く愛し合ったり、信頼し合わない方が良い、という人も最近は多いようです。
 でも、悲しい思いをしたり、傷つくことを恐れて臆病おくびょうになっていたら、何もできないし、避(さ)けるだけの生き方になってしまいます。人とかかわる時に、傷ついたり、悲しい思いをすることは、誰もが経験すること。そういうことを乗り越えて、逞(たくま)しくなり、勇気を持てるようになるのです。
Q3信じる心は、どうやってやしなうの?
 あなたの本当に大切なものは何でしょう?仕事や財産や地位も大切でしょうが、愛や豊かな心や優しさやいたわりは、何にも替えがたいものでしょう?私たちの心を豊かにするのは、そうした目に見えないもの。それを信じられるかどうかです。自分の力の及ばないものがこの世の中にはいっぱいあって、それを感謝する心があるかどうかです。
 毎日、お仏壇や、自分の好きな風景(自然)に手を合わせて、今日一日の無事を祈り、一日の終わりには、その日の無事を感謝する。祈りと感謝を積み重ねた心は、ひとりでは生きていけない自分を再発見させてくれます。そして、このことをくりかえす時、信じることの大切さと生きる力、勇気がきっと養われていくのです。

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